便のお悩み(3)便のにおい
2020年3月31日
気になる「便のにおい」。じっくり観察してみると「今日は臭いな」「今日はそうでもないかも」と、日々変化を感じるもの。
一体、この便のにおいの正体は何なのでしょうか?
この便の特有のにおいの主な成分は、「インドール」や「スカトール」と呼ばれるもの。たんぱく質が悪玉菌によって分解されるときに出る物質です。
これが高濃度になると、いやな臭いになってしまいます。
つまり、肉中心の高脂肪・高たんぱくな食事を続けていると、便が臭くなるんです。
つまり、便が臭いときは、悪玉菌が優勢で腸内環境が悪くなっているということ。
ちなみに、この「インドール」「スカトール」の濃度が低いと、ジャスミンのような芳香性に変化するのだとか。
また、赤ちゃんのウンチは酸っぱいような独特なにおいで特に臭いと感じることは少ないはず。これは赤ちゃんの腸内に、善玉菌が多いためと考えられています。
離乳食が始まり、悪玉菌が増えてくると、うんちのにおいに段々と変化。大人と変わらない食事をするようになれば、臭いも一人前!?になっていきます。
赤ちゃんの頃はビフィズス菌などの善玉菌優位だったものが、加齢によってどんどん悪玉菌優位になり、50代ではビフィズス菌は5〜8%、60代では1%と悪玉菌優位に傾いてしまいます。
老年期では便の量自体も減って、便秘がちになり、便のにおいもきつくなります。筋力が落ち、さらに腸の動きもにぶくなり、消化不良を起こした腸はさらに悪玉菌が増加。悪玉菌の悪循環が起きてしまいます。
歳を重ねるにつれて、ウンチが臭くなってしまう傾向にあるんです。
とはいえ、お話したのは一般的な経過をたどった場合。
今は、老年期の人だけが「ウンチが臭い」のではありません。若い人の腸内も現代のライフスタイルによって老化が進んでいることも……。
例えば小学生では、学校でウンチをするのが恥ずかしい→我慢して便秘になり悪玉菌が増える。
中・高校生では、高脂肪・高たんぱくの好きなものばかり食べる→悪玉菌が増える。
社会人になり、ダイエットやストレス、暴飲暴食→悪玉菌が増える。
こうして、実年齢以上に「腸が老けて」いる人が増えています。
でもどれもこれも、悪玉菌が優勢になり善玉菌=ビフィズス菌が減少するからだとわかっています。それなら対策のしようがあるというもの。
いくつになっても臭くないウンチをするために、「ビフィズス菌」をしっかりとって、増やしていけばいいんですね。
ヨーグルトやサプリメントなど、自分が手軽にとれるものを見つけて、毎日ビフィズス菌を補ってみてください。
参考文献
『恥ずかしがらずに便の話をしよう』佐藤道春、大竹真一郎(著)マイナビ出版/『見た目の若さは、腸年齢で決まる』辨野義己(著)PHP