NMNと長寿遺伝子の関係
2021年9月30日
古来より人間が追い求め続けてきた「不老長寿」。現在の科学レベルでは「不老長寿」を実現することはできませんが、人生100年時代が本格的に到来しようとしている今、健康寿命を伸ばすことは喫緊の課題ともなり、世界各国で様々な研究が盛んに行われています。
その中で世界から注目されている、「NMN」という成分をご存知でしょうか?
酵母の研究から発見されたNMNは、人間の老化・寿命の鍵を握る可能性※がある「次世代の成分」と言われているのです。
※in vivo試験の結果による
そもそも、NMNとは何でしょうか?
NMNを摂取すると、体内で「NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド) 」という成分に変わります。私たちは食べたものや酸素を利用し、活動するためのエネルギーを作り出していますが、この時に必須の補酵素がNADなのです。
NADはすべての生命体でエネルギー産生をする際に重要な役割を果たします。もしNADがゼロになれば、私たちは30秒と生きていくことはできません。
NADは生きていくために必須の成分なのです。
しかし、NADは加齢とともに減少していきます。最もその値が高いのは0〜1才で、年を重ねるごとに減り続けていきます。
年齢とともに減少するNAD。そしてこの減少こそが、老化の原因の一つと考えられています。
NADは、生きていくためのエネルギー産生に関わるだけではなく、「抗老化」に関しても重要な役割を果たすことがわかっています。
「サーチュイン」「長寿遺伝子」という言葉は、TVなどでも聞いたことがあるかもしれません。2000年にアメリカで発見されたこの遺伝子はその名の通り、全身の臓器の老化をコントロールする遺伝子のことです。
長く健康に生きるためにはこの長寿遺伝子の働きがとても大切ですが、普段は眠った状態でほとんど力を発揮しません。
しかしNMNから生まれたNADが、眠っている長寿遺伝子のスイッチをオンにし、活性化させることが近年研究※により確認されました。
※in vivo試験の結果による
長寿遺伝子を活性化させることで老化の根本を制御し、全身の器官が若々しく保たれます。その結果、健康寿命が延びると考えられているのです。
老化や寿命のコントロールに重要な役割を果たすと期待される「NAD」。今、ますますヒトでの研究が進んでいっています。
NMNはあらゆる生物の細胞に存在し、緑黄色野菜やフルーツなどにも含まれています。多いとされるのはブロッコリーや枝豆ですが、含有量はごくごくわずか。食品からはほとんど摂取することができません。
また、NADそのものを摂取しても胃や腸で分解されてしまうので、NADの前段階であるNMNを摂取し、体内でNADを作ることが効率的だとされています。
今は酵母から抽出されたNMNサプリメントが登場し、現在米国や中国、そして日本でも製品化が盛んになってきました。
歳を重ねることを肯定し、最後の日まで自分らしい人生を送るという「プロダクティブ・エイジング」という言葉があります。
活動的・創造的で、自分の人生を最後まで自分で選択できること。人生100年時代が誰にとっても持続可能な社会であるためには、今後ますます重要なキーワードになるでしょう。
科学の発達により、老いてなお自分らしく生きられるようになるかもしれないのは、希望の光です。「NMN」が切り開くかもしれない未来に、世界中から大きな期待がかかっています。