NMNインタビュー第5回
2021年10月8日
「人生100年時代」と言われ、長く生きることが当たり前となった今、いつまでも健康な状態で自分らしく年を重ねていけるかに私たちの関心は集まっています。
近年、老化制御の可能性※を秘めた成分として、世界中の研究者達から注目を集めているのが「NMN」という成分です。
※in vivo試験の結果による
NMNって何? どんなメカニズムなの? 食事からとることはできないの?
日清製粉グループ・日清ファルマ株式会社の社員で農学博士の中山優也(なかやま・ゆうや)さんにNMNについて連載形式でお話を伺います。
第5回目のテーマは「NMNに関するQ&A」です。
--NMNは「ニコチンアミドモノヌクレオチド」ということですが、タバコの「ニコチン」と関係はあるのでしょうか?
中山優也さん(以下、中山):タバコに含まれている「ニコチン」とは別の物質になりますので、安心して摂取いただければと思います。
たばこの葉に含まれるニコチンはたばこを吸うことによって煙から体内に取り込まれます。血液中のニコチンは全身に急速に広がり、中枢神経にあるニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR)にニコチンが結合すると、報酬系と呼ばれる神経回路に作用して気持ちの良さや爽快感をもたらします。たばこをいったん吸い始めてなかなかたばこをやめられないというのは、強い薬物依存を引き起こすからです。
一方、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)はこれまでの回でも申し上げた通り、体内の生化学反応過程の中でNADに変化する前の段階の物質で、あらゆる生物の細胞に存在しており、ニコチンとはまったく別の物質です。
--加齢とともにNADが減少するため、NMNを補う必要があるということですが、具体的に何歳くらいからとったほうが良いのでしょうか?
中山:個人差があるので一概には「何歳からとったほうがいいです!」と具体的に申し上げられないのですが、下のグラフの結果からもお分かりのように、50代以上の方にはおすすめしたいです。もちろん健康維持のため、40代からでも早めに飲んでいただいても問題ありません。
--逆に“手遅れ”の年齢というのはないでしょうか?
中山:正確には分かっていませんが、生物が常に必要としているものなので、ご自身が必要と感じられるタイミングで摂られた方が良いと思います。
--NMNを摂取するとNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変化しNAD量が増加するということですね。加齢とともに生体内のNAD量は減少しますが、NADがゼロになるということはあるのでしょうか?
中山:NADは生きるためのエネルギーを生み出し、細胞や臓器の機能に大きく影響します。仮にNADがゼロになった場合、私たちは30秒と生きられません。
--NMNは美肌など美容にも効果が期待されるものなのでしょうか?
中山:期待はできるとは思いますが、現時点で明確な効果は明らかになっておりません。今後更なる研究が進むことを期待しています。
--NMNをサプリでとるメリットは?
中山:サプリであれば手軽に摂取できるというメリットがあります。自分の体やライフスタイルに合わせて選んでいただければと思います。
参考
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-034.html