「長寿時代の健康」オンラインセミナー第2回
2022年6月22日
人生100年時代と言われ、健康寿命をいかに伸ばすかが注目されています。
長年のビタミン研究や医薬品事業に携わりながら培った技術を活かし、新しい時代の健康ニーズに応える研究開発に挑戦し続けている「日清ファルマ」が2022年3月26日(土)、会員誌『Nile's NILE(ナイルスナイル)』の会員向けに「長寿時代の健康」オンラインセミナーを開催しました。
同セミナーは、第一部「ビタミンによる健康寿命の延伸」東北大学大学院・農学研究科 白川 仁(しらかわひとし)教授、第二部「次世代成分NMNについて」日清ファルマ 中山優也(なかやまゆうや)登壇による二部構成となります。
第2回目は、東北大学大学院農学研究科の白川仁(しらかわ・ひとし)教授が「ビタミンによる健康寿命延伸」について講演された第一部後編の内容をお伝えします。
白川仁教授(以下、白川):ビタミンは必須の微量栄養素で5大栄養素の一つです。ビタミン自身は110年くらい前にビタミンB1が発見されました。現在までに13種類がビタミンとして登録されています。
ビタミンB群がエネルギー代謝、ビタミンCはコラーゲンの合成、ビタミンAは視覚、ビタミンDは骨の形成、ビタミンEは生体膜(細胞膜)の維持、ビタミンK は血液凝固や骨の形成に関わります。
今回は「ビオチン」と「ビタミンK」というビタミンについてご紹介します。
白川:ビオチンはビタミンB群に属する水溶性のビタミンです。ヒト以外の試験において、皮膚の炎症を防止する因子であることが発見されました。欠乏すると皮膚炎や脱毛などを起こします。また、一部のアトピー性皮膚炎の患者さんの中にはビオチン不足が症状に関連していることも分かっています。
ビオチンは、レバーや乾燥大豆、卵に比較的多く含まれています。
白川:ビタミンKもなじみが薄いかもしれませんが、脂溶性ビタミンの一つで、血液凝固、骨の形成、細胞の増殖に関わっています。
ビタミンKは、血液凝固や骨を形成しているタンパク質の活性化、タンパク質にあるアミノ酸を活性型のアミノ酸に変えるために必要になります。ビタミンK不足が、身体の不調の原因に繋がります。
ビタミンKはこまつ菜やほうれん草などの緑黄色野菜、納豆の中に多く含まれています。
ビオチンとビタミンKの働きが生活習慣病に有効であるかもしれないことが私たちの実験も含めて、徐々に分かってきています。
今回のセミナーでは、は2つのビタミン(ビオチンとビタミンK)を取り上げましたが、ほかのビタミンもうまく組み合わせることで、健康長寿に期待できるのではないかと考えております。
※動画では特別セミナーで紹介された論文や実験の内容がより詳しくご覧いただけます。